eスポーツの第一人者に聞く!(前編)

東京アニメ・声優専門学校講師、馬場章氏

Interview and Photograph by Hosoda Yasutaka

今回、『TREND EXPO TOKYO 2016』のセミナー「eスポーツ元年! ゲームがメジャースポーツになる期待と課題」への参加後に、(なんと幸運にも!)同セミナーに登壇した、eスポーツの第一人者であり、東京アニメ・声優専門学校講師、一般社団法人日本eスポーツ協会理事を務める馬場 章氏へのインタビューの機会をいただけた。以下は、そのインタビュー内容であり、今回は前編として、日本で初めてのeスポーツの専門学校についてや、eスポーツにスター選手に必要なことを伺った。

プロモーション能力もスター選手に欠かせない!

本日はお忙しい中、ありがとうございました。それで、さっそくなのですが、東京・アニメ声優専門学校がeスポーツの専攻を今年4月から開始したきっかけを教えてください。

東京アニメ・声優専門学校 広報担当者:
それは私からお答えいたしますね。最近、ゲーム実況が流行っていると聞いており色々と調べていました。また、多くのゲーム業界の方からも、ゲーム実況のニーズを伺っておりました。さらに、ゲーム業界の方からは、プロゲーマーの学校を作らないのですか?という質問もありました。そして、プロゲーマーやその裏方を支える人たちの育成には、“人間力”が大切だと伺っておりました。

東京アニメ・声優専門学校として、”挨拶”からきっちりと勉強し、コミュニケーションの授業も設けるなど、人間教育の面で強みがありますので、ゲーム業界の方からの協力もあるなら(ゲームの技術的な面は馬場先生などのプロの方の助けが必要ですから)、人間教育の面でプロゲーマーやその裏方の人の育成をお手伝いできればと、eスポーツの専攻を開設致しました。

なるほど!今回のセミナーで馬場先生からも、eスポーツの今後の発展には”スター選手の育成”が大切で、スター選手は、ただゲームの技術を持ち合わせているだけでなく、挨拶ができる、社会的なルールが守れるといった”人間力”が大切というお話しがありました。今後、スター選手の育成で、人間力以外に注意していくことはありますか?

Tokyo School of anime professor mr.baba

馬場氏: 
ない(笑)。というよりもまず、先ほどの話に補足をさせてもらうと、海外の高校や大学には、eスポーツ選手を育てる学科やコースがあります。ゲーム産業で力を持っている国では、eスポーツにも力を入れています。しかし、世界第2位のデジタル産業大国である日本にはありません。では、日本ではどこがそれをやるかというと、職務教育で実績をあげてきた専門学校が、日本のeスポーツのプロの育成には適していると考えられます。というのは、国内含め、海外で職業としてeスポーツを成立させるためには、その道のプロが育成に携わるべきです。そして、それが、ゲームのプログラマーやデザイナーを生み出してきた専門学校なのです。

また、本校では、すべての授業の根底に“人間力”を育む人間教育が流れています。そのため、本校の学生には自然とeスポーツ選手として必要な“人間力”が備わっているのです。

Tokyo School of anime three students esports athletes

それで、ここからが先ほどの質問の回答につながっていくのですが、eスポーツのスター選手(優秀でスター性のある選手)になるには、自分をプロモートしていく力が大事です。それは、表と裏の顔があるという意味合いではないです。表裏がなく、スポーツマンシップを持つ、自分自身を素直に表現できる人間性だったり”人間力”、そうしたものがスター性へと結びついてくるのです。

また、eスポーツ選手は、ゲームで技をみせることが自己実現や自己表現となります。自分自身のプロモートと、ゲームを通して正しく自己表現や自己実現をしていくこと。この二つを一体化していかなければスター選手にはなれず、しかも、スター選手になるには、その能力が断トツで高くなければならないのです。

とはいえ、これまで日本では、スター性を磨いていくということは選手個人個人のセンスや才能によるところが多かった。(もちろん、個人個人の努力、それ自体は必要ですが)そこで、本校では科学的なメニューやカリキュラムを取り入れることで、これまで、暗黙的で分かりにくかった部分を、分かりやすく明確化し、学生に提供しています。

そうすることで、若い人たちに余計な苦労をさせずに、しかも早く優秀な選手の育成ができ、結果として、日本のeスポーツ産業の発展の加速にもつながっていくのです。

Writer: enngamers_official