eスポーツの第一人者に聞く!(後編)

東京アニメ・声優専門学校講師、馬場章氏

Interview and Photograph by Hosoda Yasutaka

今回、『TREND EXPO TOKYO 2016』のセミナー「eスポーツ元年! ゲームがメジャースポーツになる期待と課題」への参加後に、同セミナーに登壇した、eスポーツの第一人者であり、東京アニメ・声優専門学校講師、一般社団法人日本eスポーツ協会理事を務める馬場 章氏へのインタビューの機会をいただけた。以下は、そのインタビュー内容であり、前回の全編に続いて今回は後編として、日本でeスポーツを広げるための取り組みや、今後のeスポーツについて伺った。

eスポーツの発展が日本の未来を握る

さて、eスポーツの発展には、より裾野を広げ、認知度を高めていくことも必要かと思われます。この点に関して、馬場先生はどのようにお考えでしょうか。

馬場氏:
いま、私が理事を務める一般社団法人日本eスポーツ協会では、第1回目の日本選手権を行なっており、来年2月には第2回目の日本選手権が開かれます。この11月からは日本eスポーツリーグに、うちの協会も共催させてもらいますが、今の人気のタイトルだと10〜20代がメインです。しかも青年が中心で女性が少ない(笑)。日本でeスポーツが発展していくためには、eスポーツ参加者の裾野を広げていくことが大事です。すぐには無理ですが、今後、小学生〜中学生対象のリーグ、高齢者対象のリーグなどを作っていく必要があると考えています。

例えば、そういう点でお隣の韓国は進んでいて、女性のリーグや、高齢者のリーグ、さらには、高齢者と孫がペアを組んで挑むリーグなんてものもあります。そういったものも日本でできればと考えております。

なるほど、確かに日本では、まだまだデジタルゲームは若い人たちのものという印象がありますね。その点で、韓国の取り組み、中でも、高齢者と孫のペアで参加できるリーグなどは、とても面白そうですし、高齢者がデジタルゲームを始めるいいきっかけにもなりそうですね。では最後に、今年は日本にとって「eスポーツ元年」ですが、今後、eスポーツはどういう発展を遂げていくとお考えですか?

馬場氏:
まず、ゲームデバイスの多様化とゲームジャンルの多様化。この二つが言えます。ゲームデバイスの多様化は例えば、カードゲームなんかがいい例で、リアルとデジタルが存在していますが、今後はよりリアルとデジタルの境界線がなくなっていくといえます。それから、ゲームジャンルの多様化。これはゲームをはじめコンピュータの技術が5年周期で変わっていくことからいえるのですが、AIはより緻密な動きをしていくでしょうし、VRも5年後には今よりもっと進化し、eスポーツで競われる一つのジャンルになるでしょう。eスポーツはゲームというツールを扱うため、当然その技術の進化の影響を受けます。そのため、選手はゲームの進化を見据えて、積極的に対応し、ゲームをツールとして使いこなしていくことがとても大事です。

それから、日本国内でのeスポーツの認識も高まっていきますね。そのため、今後は法制度の整備なども必要になってくるでしょう。そして、そういう努力は大人がやらなければならないと思います。

私は“若者にとって魅力的と思える職業を組織的に生み出せない社会は未来がない”と考えております。子供たちや若者がかっこいいと思えるものを実現できなければおしまいなのです。そして、そのカギを握っているのがeスポーツであると考えています。努力すればプロゲーマーになれる、プロゲーマーになるための環境をサポートしてくれる学校もある。そういう環境作りを大人がゲームをしながら(笑)、整備していくことが大事ですね。

■ありがとうございました。

Writer: enngamers_official